新潟県弁護士会

声明・意見書

2012年03月1日|声明・意見書

刑事公判中の偽証嫌疑による証人逮捕・勾留に関する会長声明

現在、新潟地方裁判所新発田支部に係属中であり、被告人が無罪を主張している窃盗等被告事件において、弁護側の証人として被告人のアリバイを証言した者が、平成24年1月27日、偽証の疑いで逮捕され、その後勾留された。
しかし、無罪主張をしている事件の公判係属中に証人を偽証の嫌疑で逮捕・勾留することは、公判中心主義、当事者対等主義の原則に背くものであり、極めて不当である。検察官は、証人の証言の信用性については、法廷において弾劾すべきであって、証人逮捕という強権的な方法を取るべきではない。
今回のような事態が繰り返されれば、刑事事件の法廷で証言しようとする証人に対し、検察側に沿った証言をしなければならないという心理的圧力を与え、証人は記憶に従った自由な証言ができなくなる。その結果、真実発見が阻害され、誤った判決を導く危険性が高まり、ひいては被告人の公正な裁判を受ける権利が奪われることになる。
仮に偽証が疑われる場合であっても、証人が証言した裁判の公判係属中に当該証人の身柄拘束等を伴う強制捜査を行うことは、極力謙抑的であるべきで、安易に行うべきではない。本件でも、罪証隠滅の余地が乏しく、また、逃亡する可能性が低く、勾留の必要性があるとは認められないとして、準抗告により勾留決定が取り消されている。
日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)は、昭和43年の第11回人権擁護大会において、いわゆる八海事件などの刑事事件公判中、偽証嫌疑による証人の逮捕が行われたことを受け、被告人が無罪を主張する事件の公判係属中においては、「検察官は公訴事実の立証につき証人逮捕という権力的な方法をとらず、他の合理的方法によるべきである。」と決議し、法務大臣及び検事総長に対する要望として執行している。
平成13年1月17日には、検察側証人が公判前に供述していた内容とは異なる証言をしたとして、同事件の被告人が無罪を主張して公判係属中であるにもかかわらず、秋田地方検察庁が偽証などの疑いで同証人を逮捕し、秋田地方裁判所もその勾留を認めたという事件が生じたが、同月19日、日弁連は、前記決議に違背する事態が再び発生したことに対して、「法廷における真実の証言を確保し、被告人の公正な裁判を受ける権利を保障する見地から、前記決議の趣旨が徹底され、同様の事態を今後招くことのないよう求めるものである。」と抗議の会長声明を発している。
このように、日弁連から繰り返し決議や声明が出されているにもかかわらず、この度同様の事態が発生したことは極めて遺憾である。
当会は、公正な刑事裁判の実現と真実発見の見地から、今回の証人逮捕・勾留に対して厳重に抗議するとともに、今後、同様の行為が繰り返されることのないよう強く求めるものである。

2012年(平成24年)2月28日
新潟県弁護士会
会 長  砂 田 徹 也

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