新潟県弁護士会

声明・意見書

2012年12月12日|声明・意見書

遠隔操作による脅迫メール事件等における取調べについての会長声明

1 他人のパソコンを遠隔操作し、ウェブサイトに犯罪予告の書き込みをしたり、脅迫メールを送りつけたりした事件について、警視庁、大阪府警、神奈川県警、三重県警は、逮捕した男性4人(うち少年1人)について、いずれも誤認逮捕だったことを認め、起訴取り消し等の処分を講ずるとともに、男性らに謝罪するという事件が発生した(以下、単に「本件誤認事件」という。)。

2 本件誤認事件における捜査方法や逮捕・勾留手続の適否等については、関係者への謝罪のみで終わらせることなく今後十分に検証する必要があるが、特に見過ごすことができないのは、男性2人(少年を含む)について虚偽の自白調書が作成されていたことである。
報道によれば、供述調書には、ありもしない犯行動機や襲撃場所とした小学校をなぜ選んだかの動機、さらには、投稿者名の由来についても記載されているとのことであるが、全く身に覚えのない犯罪について自分がやったと認め、さらにその動機等まで記載された調書が作成されているということは、捜査機関によるストーリーの強制を含む違法あるいは不当な取調べがあったと判断せざるを得ない。
これまでも数々の冤罪事件等において、捜査機関の違法あるいは不当な取調べが指摘されてきたが、同時期に、複数の地域で、複数の無実の市民が虚偽自白を強いられていた本件誤認事件によって、あらためて、自白獲得に重きを置く捜査方法の問題点が浮き彫りになった。

3 今回は、たまたま真犯人が他にいることが明らかになったが、そうでなければ、本件誤認事件は、このまま刑事手続が進行し、真犯人でないにも関わらず有罪を前提とした処分に至った可能性が高いと思われる。このことは、捜査機関による虚偽自白の強要による冤罪事件が決してまれなものではなく、現在も起こり続けていることを示している。
こうした虚偽自白の原因は、担当捜査官の質や捜査指導のあり方の問題のみで解決できるものではなく、密室で行われる現在の取調べの構造的な在り方にある。
上記捜査の問題点を改善するためには、まず、取調べの全過程の録音・録画を制度化し、違法不当な捜査の温床となっている密室での取調べを全面的に可視化し、後日、国民が取り調べ状況を検証することができるようにする必要がある。このことは、当会ではこれまで総会決議、会長声明において訴え続けたもので、現在、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」でも法制化が議論されているところであるが、本件によってその必要性がより一層明らかになった。

4 当会は、本件誤認事件を契機に、捜査機関が全力をあげて信頼回復に努めるよう求めるとともに、政府及び国会に対し直ちに取調べ全過程の録音・録画を義務づける立法をして全面可視化の制度を実現するよう強く求める。

2012年(平成24年)12月12日

新潟県弁護士会会長 伊  藤  秀  夫

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