新潟県弁護士会

声明・意見書

2014年03月26日|声明・意見書

生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)の全面的見直しを求める会長声明

厚生労働省は、「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」を発表し、現在、パブリックコメントを募っている(3月28日締切り)。しかし、この省令案は、第183回及び第185回国会における政府答弁および参議院厚生労働委員会附帯決議を含む国会審議の内容を無視するという、一省庁として許されない内容を含んでいる。それは、これまでも問題となっている違法な水際作戦を助長誘発し、餓死者を生じさせるという重大な影響を及ぼすおそれの大きなものである。その問題点は、下記に述べる通りである。
すなわち、 国会において、政府は、改正生活保護法24条1項について、申請書の提出は従来どおり申請の要件ではないことを法文上も明確にするために、本文の表現を修正するとともに、ただし書を設けるという法文修正を行った旨答弁している。
また、参議院厚生労働委員会附帯決議は、政府に対し、「申請行為は非要式行為であり、…口頭で申請することも認められるというこれまでの取扱い…に今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知する」ことを求めている。
ところが、省令案では、「保護の開始の申請等は、申請書を…保護の実施機関に提出して行うものとする」として、申請書の提出が申請の要件であり、口頭申請は原則として認められないとの誤解を招く内容となっており、上記政府答弁や同附帯決議に明らかに反している。
さらに、省令案は、「ただし、身体上の障がいがあるために当該申請書に必要な事項を記載できない場合その他保護の実施機関が当該申請書を作成することができない特別の事情があると認める場合は、この限りではない」として、口頭申請が認められる場合が身体障がい等の特別の事情のある場合に限定され、かつ、その有無の判断が保護の実施機関に委ねられるかのような内容となっており、そのような限定を加えていない、生活保護手帳別冊問答集2013(問9-1)に示された現在の運用よりも後退した内容であることが明らかである。
また、国会においては、改正生活保護法24条2項には、保護の要否判定に必要な書類の提出について、これまでの取扱いに変更がないことを明確にするためにただし書を設けるという法文修正が行われるとともに、「要否判定に必要な資料の提出は可能な範囲で保護決定までの間に行うというこれまでの取扱いに今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知する」との前記附帯決議がなされた。にもかかわらず、省令案には、この点に関する記述が一切存在せず、法文修正の趣旨に関する政府答弁や同附帯決議に反している。
さらに、政府は、改正生活保護法24条8項、28条、29条について、福祉事務所が家庭裁判所を活用した費用徴収を行うこととなる蓋然性が高いと判断するなど、明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められる極めて限定的な場合に限ることにし、その旨厚生労働省令で明記する予定である旨、繰り返し答弁を行っていた。にもかかわらず、省令案では、原則として通知や報告要求を行い、「保護の実施機関が、当該扶養義務者に対して法第77条第1 項の規定による費用の徴収を行う蓋然性が高くないと認めた場合」等に例外的に通知等を行わないものとしている。これは、原則と例外を完全に逆転させるものであって、上記政府答弁に全く反している。
当会は、2013年(平成25年)5月29日付「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める会長声明」、同年10月24日付「改めて生活保護法改正案の廃案を求める会長声明」を公表し、繰り返し改正生活保護法の問題点を指摘してきた。
国会においても、同様の問題点が指摘され審議された結果、上記の答弁及び附帯決議がなされたものであって、今回の省令案は、国会審議を無視するものである。
よって、今回の省令案を政府答弁や附帯決議に即した内容にするよう直ちに修正することをつよく求めるものである。

2014年(平成26年)3月25日
新潟県弁護士会
会長 味 岡 申 宰

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