新潟県弁護士会

声明・意見書

2014年03月31日|声明・意見書

新潟大学法科大学院の募集停止に関する会長談話

会 長 談 話

新潟大学大学院実務法学研究科(以下、新潟大学法科大学院という)は、本年3月17日、平成27年度からの入学者の募集停止を発表した。
新潟県弁護士会は、平成13年4月1日、新潟大学との間で新潟大学法科大学院における連携・協力に関する協定書及び覚書を取り交わし、平成15年3月1日には、法科大学院特別委員会を設置するなどして、新潟大学法科大学院への実務家教員の派遣、臨床法学科目リーガル・クリニックの実施の支援を行い、法科大学院生に対する独自の奨学金制度の創設と運営にも協力してきた。
新潟大学法科大学院は、「地域住民のニーズに即したリーガルサービスを着実に提供できる、地域住民の信頼と期待に応え得る法曹を養成すること」を教育理念としており、設立後10年が経過した今日まで合格した者の多くが当会に入会して弁護士となり、新潟県民の法的ニーズに応えるために様々な分野の活動に積極的に参加し、人権擁護の分野でも活躍している。たとえば、当会は司法過疎解消のため、ひまわり基金法律事務所を開設し、法律事務所新設等の活動を行ってきたが、新潟大学法科大学院を卒業生した若手弁護士はその先頭にたってきた。新潟大学法科大学院が地域司法の拡充に果たしてきた役割を考えると、このたびの募集停止は残念と言わざるをえない。
新潟大学法科大学院がやむなく募集停止に至った背景には法曹志願者の激減がある。その原因として、法科大学院構想が立ち上がった時、国は法科大学院の設置数・配置・定員等について適正な制度設計を描けず、地域適正配置の理念も無いまま、あまりにも多くの法科大学院の設立と定員を認めたことにある。それとあいまって、国は国民の法的需要に見合わない急激な弁護士増加政策をとったことにより、司法試験に合格しても就職できない者が急増している。また、法曹になるまでの経済的負担とリスクがあまりにも大きく、そのことも法曹を魅力のないものとしている。司法試験に合格しても就職先が無く、また司法修習生の給費制が廃止されたことにより、大学卒業後の法科大学院及び司法修習における学費や生活費を奨学金(借金)により賄わざるを得ないことから、一人当たりの経済的負担は数百万円から一千万円にのぼっているのが実情である。
このままでは、司法を担う有能な人材の養成が困難となり、ひいては社会の法的ニーズに応え国民の人権擁護という司法の使命を十分に果たせなくなる可能性がある。特に、法科大学院は地方都市や司法過疎地で働く人材を養成することも重要な目的の一つとして設置されたものである。弁護士も医者と同様に都市部に集中し、地方や過疎地域では不足しているのが現実であるが、この現実を打破して司法過疎地に定着して過疎解消の役割を担う弁護士を養成し排出してきたのが新潟大学法科大学院のような地方法科大学院である。このままでは新潟大学法科大学院のような地方法科大学院の募集停止が続くことは必至であり、そうならば地方で働く有能な弁護士を確保できなくなり、都市部と地方の司法サービスを受ける格差は広がるばかりである。司法の恩恵を国の隅々に行き渡らすためにも、地方の活性化のためにも、法科大学院の地域適正配置は絶対に必要である。
新潟大学法科大学院のこれまでに果たしてきた役割を考えるならば、国は募集を再開しうるような対策をとるべきである。すなわち、第一に弁護士人口の急激な増加政策をやめて法曹需要にみあった増加政策をとり、当面は司法試験合格者数を2000人から1500人程度に減少すべきである。第二に法曹希望者の経済的負担を減少させるために少なくとも司法修習生の給費制を復活させ、法科大学院生の奨学金の一部返還免除制度等の経済的支援の政策を実施すべきである。第三に司法過疎解消や地方の活性化をはかるため、中央の私立法科大学院等の定員を大幅に削減する等して、法科大学院の適正配置の具体的な施策を実施し、地方旧国立大学法科大学院の存続を図るべきである。

2014年(平成26年)3月31日
新潟県弁護士会
会 長 味 岡 申 宰

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