新潟県弁護士会

声明・意見書

2015年06月16日|声明・意見書

借上げ住宅の打ち切りに反対する会長声明

本年6月15日、福島県は、災害救助法に基づく避難先の住宅供与(一定の家賃補助。以下「借上げ住宅」という)を、国の同意を得て1年延長し、現時点での避難指示区域以外からの避難者(以下「区域外避難者」という)については2017年3月で打ち切る方針を公表した。

福島第一原発事故の影響により、新潟県に避難されている方は3827人、そのうち借上げ住宅に住んでいる方が2298人もおられる(平成27年6月5日現在)。

避難者は、好んで避難生活を継続しているわけではない。家族、友人等と離れ離れになり、住み慣れた土地から離れ、経済的な負担を負い、さらには、家族、知人等との間における放射線量の健康に与える影響についての認識の相違といった対立が深まる中、家族の健康を守る一心で避難を継続し、そして様々な困難を強いられている。

避難者にとって「借り上げ住宅」は、生活再建の基礎である「住まい」の確保であって、「命綱」である。本年3月6日に新潟県が公表した「避難生活の状況に関する調査」でも、「借上げ住宅の期間延長」を望む回答が多数寄せられており、今回の方針は避難者の声を無視するものである。さらに、区域外避難者に対する2017年4月以降の支援策については、何ら具体的な策は示されておらず、先を見通した生活再建ができる状況にない。なお、ADR制度(原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解仲介手続申立制度)による賠償も、既に生じた損害の一部しか賠償されておらず、生活再建がかなうものではない。このような現状において、借上げ住宅制度の打切りは、避難者に対して、「避難」を断念させることにほかならない。

子ども被災者支援法は、放射性物質の健康影響について、科学的に十分解明されていないことから、避難という選択が十分に尊重されるべきものとしている。福島県内の除染作業や、放射性物質の健康影響に対する科学的な解明は、いまだ十分とはいえず、借り上げ住宅制度の中止は、同法の理念に悖り、避難者の自己決定権(憲法13条)を実質的に侵害するものであり、到底看過できない。

よって、当会は、国、福島県に対し、一方的に借上げ住宅制度を中止するという方針を撤回すること、避難者にとって先の見通しがつき、住まい、就労、教育、医療、行政サービス等、様々な面で、自己決定権が十分に保障される支援策を検討、実施していくことを求める。

最後に、当会は、今後も、新潟県、県内自治体、関係団体、県民の皆様とともに、避難者の方々に寄り添い、全力で支援を継続していくことをお約束する。

平成27年6月16日
新潟県弁護士会会長 平 哲也

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