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新潟県弁護士会 会長挨拶

ご 挨 拶

 

きょうから年度が替わりました。新潟県内にも桜前線が到達しようとしています。春は希望の季節。新生活への期待に胸を膨らませている方々も少なくないことと存じます。

しかし、一方で、悩みを抱えて辛い思いを続けている方が少なくないことも事実です。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災と福島原子力発電所の事故の影響で、いまだに苦しい避難生活を続けている人は少なくありません。報道によれば避難・転居生活を続けている方は全国で34万人以上、福島県内から新潟県内に避難している方は7000人を超えています。避難元の地域の復興の実現には長年月を要すると見込まれます。新潟県弁護士会は、震災発生以来、微力ながら、避難者の方々などを対象に法律相談支援や法律的問題に関する情報提供、国等に対する制度の改善の提案など、力の及ぶ範囲内で復興のお手伝いに努めてまいりました。今後も県内外に目を向けながら、息の長い支援活動を継続してまいります。

14年連続3万人超。我が国における自殺者の数です。生きること自体が苦しい時代を象徴する数字かもしれません。新潟県は全国でも自殺率の高い地域の一つです。ことは自己決定権に関わり、また鎮魂という意味からも、自殺という選択をしてしまった方を非難することはできません。しかし、周囲の人にとっては、選択がなされてしまう前に言葉を紡ぎ合うことができていたなら最悪の事態を防ぐことが可能であったのではないかという思いが残されます。新潟県弁護士会では、人権擁護委員会を中心に、自殺防止のためのネットワーク作りに努めています。何よりも話していただくこと、お聞きすることが大切ではないかとの思いから、悩んでいる方々が悩みを打ち明けやすい環境の構築のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

平均寿命が伸び、日本は世界一の長寿国と言われてきました。長生きできるということ自体は幸せなことです。しかし、そればかりではなく、日々生きがいの感じられる社会、人としての誇りを感じられる社会を実現することこそが大切ではないでしょうか。

誰もが希望に胸を膨らませることのできる社会の実現へ向けて、法律実務家の団体である新潟県弁護士会は、その専門知識や経験を最大限生かしながら、一歩一歩歩んでまいります。

 

平成24年4月1日

 

新潟県弁護士会会長 伊藤秀夫