新潟県弁護士会

声明・意見書

2005年12月20日|声明・意見書

「ゲートキーパー」立法に反対する会長声明

政府は、2005年11月17日、FATF(国際的なテロ資金対策に係る取組である「金融活動作業部会」)勧告実施のための法案提出と、その法整備のためFIU(金融情報機関)を金融庁から警察庁に移管することを決定した。ゲートキーパーは、日本語では「門番」を意味するが、法案は、マネーロンダリング及びテロ資金対策のため、従来の金融機関のほかに、弁護士などの専門職を不動産売買等一定取引に関し「門番」と位置づけ、「疑わしい取引」をFIUに報告する義務を負わせる制度を創設するものである。
弁護士に対し、依頼者の疑わしい取引に関する情報を政府に報告する義務を課すFATF勧告そのものが、弁護士制度の本質に関わるものとして、諸外国の弁護士及び弁護士会がその実施に反対しており、FATFの重要な加盟国であるアメリカやカナダでは勧告による立法はなされていないし、ベルギーやポーランドでは違憲訴訟が係属している。日弁連もこれまで国内法制度化に反対してきた。この度の政府決定は、弁護士の報告先を警察庁とするものであり、弁護士及び弁護士会に対する国民の信頼を損ね、弁護士制度の根幹を揺るがすものとして到底容認できない。
弁護士は、法律に関する専門知識を有するだけではなく、国家権力から独立して依頼者の人権と法的利益を擁護することにその本質がある。弁護士は、職務上知りえた秘密を保持する権利を有し、依頼者に対しては高度な守秘義務を負っている。これは、市民の側からすると、秘密のうちに弁護士と相談することができる権利を保障されているということにほかならない。しかし、「疑い」だけで弁護士が依頼者の秘密を捜査当局に「密告」しなければならないとしたら、依頼者は安心してすべての事実を弁護士に告げることはできないし、弁護士が依頼者に対して法律を遵守するための適切な助言をすることもできない。かくては、マネーロンダリング及びテロ資金対策の目的に反する結果となるものである。
当会は、マネーロンダリング及びテロ資金対策が重要であることを否定するものではない。弁護士がマネーロンダリング等に関与することは弁護士倫理に反し、懲戒処分の対象となっており、弁護士会は、そのための研修を引き続き重ねる所存である。
ゲートキーパー立法は、弁護士を、依頼者の秘密を密告する捜査機関の手先とすることで、弁護士制度ひいては司法制度そのものに対する信頼を根底から覆すもので、国民の権利にとって失われるものが余りに大きい。
以上から、当会は、今後、国民の理解を得ながら、日弁連とともに、反対運動を展開していくことを決意する。

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