声明・意見書
2008年10月16日|声明・意見書
割賦販売法改正に関する最終報告書に対する会長声明
平成19年12月10日付で経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、割賦販売法の改正を含む制度整備を図るべき事項等に関する最終報告書をまとめた。
同報告書が、(1)個品割賦購入あっせん業者に対する登録制を導入する、(2)個品割賦購入あっせん業者に対して、加盟店の勧誘販売方法等に関する調査義務を法定し、その調査結果に基づき、適正な与信が行われるよう義務づける、(3)個品割賦購入あっせん取引について、クーリングオフ規定を導入する、(4)個品割賦購入あっせん取引について、既払金の返還を一定条件の下に認める、(5)過剰与信防止義務の法定、(6)割賦要件の廃止、(7)指定商品制、指定役務制の廃止等を求めている点については評価できる。特に、過失を要件としない既払金返還責任を導入するとしていることについては大いに評価できる。
しかしながら、まず、同報告書は、訪問販売業者が不実告知等を行ってクレジット取引を利用した場合に限り既払金の返還をさせるべきとしているが、不実告知に限らず、債務不履行型被害の場合にも既払金の返還をさせるべき必要性は高い。
また、同報告書は、上記個品割賦購入あっせん取引の既払金返還が認められる範囲を特定商取引法の対象となる取引に限定しているが、店舗取引や通信販売による被害についても保護すべき必要性は高い。
さらに、同報告書は、過剰与信防止義務を法定するとしているが、それだけでは現在多発しているクレジットの過剰与信問題を解決できるとは考えられない。
そこで、当会としては、今後の法改正に関し、(1)不実告知に限らず、債務不履行型被害の場合にも既払金の返還を認めること、(2)既払金返還が認められる範囲を店舗取引・通信販売を含めた個品割賦購入あっせん取引全体に拡大すること、(3)具体的な過剰与信基準(例えば、総負債額が年収の3分の1を超えているか否かといった具体的な数値の目安)を定め、これに違反したときは過量販売契約の取消権を認めるとともに、個品割賦購入あっせん取引契約も取り消すことができるようにすることを求める。
平成20年1月16日
新潟県弁護士会会長 藤田 善六
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