新潟県弁護士会

声明・意見書

2011年04月1日|声明・意見書

東日本大震災の被災者に対する現金給与を求める要請書

第1 要請の趣旨
国及び関係県は、災害救助法に基づき、避難所、旅館等に避難している被災者に対して、
適切な現金給与を行なうべきである。

第2 要請の理由
1 必要性
(1) 新潟県内には、3月31日現在で、下記のとおり、東日本大震災の被災者が避難して
いるとされている。

ア 避難所  県内84箇所で7035人を受入
イ 避難所以外(親戚・知人宅等)1579人
ウ 病院 112人
エ 社会福祉施設等 188人
オ 民間宿泊施設 308人

(2) ところで、各地の避難所においては、被災者から、手持ち資金がないことによる不安の訴えがなされている。
また、被災者のニ-ズは被災者のおかれた状況に応じて多様であり、それらのすべてに現物給付で応えるのは不可能である。そして、被災地外の避難所では、周辺の商店が機能しており、かえって現金給付の方が被災者のニ-ズに合致すると考えられる。
(3) この点、被災者に対する貸付制度も存在する。
しかし、今後の生活再建がいつになるかもわからず、返済義務を伴う貸付制度を利用することに躊躇を覚える被災者も多い。
(4) 以上により、被災者に対しては、速やかにその生活上のニ-ズに応えるための現金給付が必要である。

2 災害救助法
(1) 災害救助法23条は、都道府県知事が被災者に対して、生業に必要な資金を給与できる、その他金銭支給による救助をなしうると規定している。
(2) しかし、現実には、これまで現金支給は余りなされてこなかった。
この点、2011年3月24日厚生労働委員会で、政府参考人は、雇用保険、雇用調整助成金、災害援護資金、生活福祉貸付、被災者生活再建支援法、中小企業庁の施策、各種貸付の諸制度があり、後法は前法に優先するとの見地からこれら諸制度が災害救助法23条に優先する旨の答弁を行なっている。
しかし、災害援護資金、被災者生活再建支援法以外の制度は災害時かどうかにかかわらない一般法であり、特別法である災害救助法が優先するものである。
被災者生活再建支援法は、災害直後から適用される災害救助法とは適用場面を異にするので、災害救助法と被災者生活再建支援法とは前法後法の関係には立たない。
災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害援護資金は、負傷又は住居、家財に被害を受けた者が対象であり、災害救助法とは適用対象が異なり、前法後法の関係には立たない。
諸貸付制度については、給与を内容とする災害救助法と内容が異なり、前法後法の関係に立たない。
したがって、災害救助法により現金を支給し得ない根拠はない。

3 結論
以上より、要請の趣旨記載のとおり、災害救助法に基づき、速やかに被災者に対する現金給与がなされるべきである。
なお、被災者のおかれた現状の緊急性に鑑みれば、形式にこだわるべきではなく、雲仙普賢岳噴火災害の際、「食事給与事業」として現金が支給されたように、適宜要綱を作るなどして現金給与をすることも検討すべきである。

2011年(平成23年)4月1日
新潟県弁護士会
会長 砂 田 徹 也

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