新潟県弁護士会

声明・意見書

2011年04月22日|声明・意見書

原子力損害賠償紛争審査会の会議のあり方等に関する緊急申入書

4月15日、原子力損害賠償紛争審査会(以下「審査会」という。)の第1回会議が開催された。同会議では、4月22日の第2回会議で一定の損害について指針案を検討することとされた。
被災者の立場を考えた場合、速やかな検討は望ましいことではある。しかし、拙速な解決が被災者の権利を侵害することがあってはならない。
当会は、4月17日、新潟県内に避難されている被災者を対象に、原子力損害賠償についての勉強会(以下「勉強会」という。)を開催した。その際、被災者からは、損害賠償についての率直で切実な要望が多く寄せられた。当会は、それらの声を踏まえ、審査会の運営等について、以下のとおり申入れを行う。
1 ヒアリング等実施の必要性
第1回会議では、各省庁からデ-タ等資料の説明はなされていたが、それ以外に被災者の生の声が会議に反映されることはなかった。
被災者の思いや損害を数字上のデ-タだけから読み取ることは不可能である。
勉強会では、避難先での生活再建をなし得るだけの補償が必要である、避難の際に避難道路が整備されていなかったために避難が困難で恐怖を感じたなど市民の切実な要求や思いが多くあげられた。
このような被災者の思いを反映しないで、デ-タだけで損害の範囲を議論しても適切な結論に至らないことは明らかである。
よって、審査会にヒアリングのための小委員会を設ける、審査会委員が避難所等に出向いてヒアリングを行うなどし、被災者の声を会議に反映させる方策を講ずるべきである。
2 救済されるべき避難者の範囲
当会は、4月11日付「福島第一原子力発電所からの避難者に対して 迅速かつ適切な仮払いを行うことを求める会長声明」において、30キロメートル圏外の避難者についても、「住民に対し避難呼びかけがなされている地域の方々、居住地域において積算外部被曝線量が国際的な退避基準値である20ミリシーベルトを越える箇所が発生・拡大している地域の方々(例・浪江町)、近隣避難の影響により生活困難を余儀なくされ、結果として自主避難をされた方々、乳幼児や妊婦など身体的被害が重篤に及ぶ懸念から自主的に避難された方々などには、避難に合理的な理由のあることが明らかであり、仮払いの必要性もまた明らかである」として、避難等に伴う損害賠償の支払いを求めているところである。
実際にも、勉強会では、30キロ圏外の避難者が、30キロ圏内の避難者に比べ蔑ろにされているとの思いを吐露している。
よって、審査会としては、対象避難者を定めるに際しては、30キロ圏外の避難者の実情や避難した経過も調査し、30キロ圏内・計画的避難地域か否かという形式的基準だけによらず損害の範囲を定めることを求める。
3 指針は最低基準であるべきこと
審査会が、とりあえずは早急に可能な範囲で指針を策定していくという方針をたてていること自体は、被災者の早期救済の観点からは評価できるものである。
しかし、拙速に、被災者の意向を反映しないまま指針を作成することにより、被災者の切捨てにつながることは避けなくてはならない。
よって、指針が規定する損害賠償の範囲等については、あくまで限定された要素を踏まえた最低基準であること、個々の事情によってそれ以外でも賠償の対象となり得ることを明らかにすべきである。
4 審査会の構成について
審査会委員の中には法令について高い見識を持つ委員がいることは認めるが、弁護士としての実務経験豊富な弁護士が選任されていない。
弁護士は、普段から、損害賠償請求事件等で被害者の代理人となり、被害者の目線でその権利や利益を擁護するために活動しているとともに、今回の大震災では、日本中の弁護士が多数参加して、被災者に対し、広範に、懇切且つ丁寧な無料法律相談を実施して被災者の悩みや困りごとの解決に尽力しつつ、相談内容を聴取した情報を集約して今後に役立てようとする活動を現に継続している。被災者の声なき声の代弁者としては、弁護士が最もふさわしい存在だと考えられる。
よって、震災による被災者の救済活動について経験豊富な弁護士を委員に追加選任されるよう要望する。

以上

2011年(平成23年)4月21日
新潟県弁護士会
会長  砂 田 徹 也

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