新潟県弁護士会 – 弁護士会

声明・意見書

2006年09月7日|声明・意見書

貸金業規制法等の改正に関する金融庁素案に反対する緊急声明

  1. 貸金業制度、出資法の上限金利の見直しを検討していた金融庁は、9月5日、自由民主党金融調査会貸金業制度等に関する小委員会に対し、貸金業規制法等の改正案を正式に伝えた。
    報道などによれば、そこで示された改正案では、法律施行日までに1年程度、施行後金利の引き下げまで経過期間3年がもうけられているほか、その後に最長5 年間、特例の高金利を認める内容となっている。つまり、法改正後も最長9年間は現状の水準の高金利がほぼそのまま温存されることになるのである。
    しかも、金融庁の案では、利息制限法の現在の金利区分にも手を加え、借金額の元本が50万円未満で年20%、500万円未満で同18%、500万円以上で同15%と変更するなど、実質的には金利引き上げを図るものであり、貸金業者への配慮を優先させる内容となっている。
  2. そもそも、金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」では、特例措置の導入に反対の意見が委員の大勢を占めていたのであるが、上記改正案は、この懇談会の意見を全く無視するものとなっている。また、300万人を超えた高金利引き下げの署名や39都道府県、870を超える市町村議会の高金利引き下げの意見書に現れた多重債務問題を早期に解決すべきとの国民の声にも完全に逆行する内容である。
    多重債務問題の解決のためには、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利に一致させるよう引き下げるとともに、貸金業規制法43条のみなし弁済規定を廃止することが不可欠である。
    しかし、上記の改正案は、実質的に現状のグレーゾーン金利を約9年間もの長期にわたって温存する結果となるばかりか、現在の金利水準を全く考慮することなく利息制限法の金利の引き上げを図るなど、多重債務者の救済という見地からは到底容認できないものである。
    また、改正法により認められる特例の高金利は、個人の少額短期の需要、事業者の緊急融資需要に応えるためのものと説明されているが、そもそも、そのような需要に対しては、生活保護や生活福祉資金貸付制度の拡充、政府系金融機関による融資制度の見直しなどの安全対策網(セーフティネット)の充実を図ることにより対応するべきものである。
    金融庁案による個人向け特例の高金利は、総額を規制するものであり、その実効性を担保するには貸付総額のデータベースとなる信用情報機関の情報を一元化することが不可欠であるが、現在複数に分かれている信用情報機関は、システムや運用のルールが大きく異なり簡単に情報交換できないとされるほか、いわゆる営業機密ともいうべき顧客の情報を一元化することは相当の困難を伴うことが予想され、総額規制の実効性を担保することは極めて困難である。
    また、事業者向け特例は、他に通常借り入れがあっても適用できるとされており、事業者向け名目で会社員や主婦に貸し付けるという形での規制の潜脱が強く懸念される。
    結局、改正案は、必ずしもすべて健全とは言い難い顧客の「需要」を口実に現在の高金利問題を放置するものであるといっても過言ではない。少額短期、事業者特例は一切認めるべきではない。
  3. 上記金融庁の改正案が公表されるや、貸金業規制法等の改正作業を担ってきた内閣府大臣政務官(金融・経済財政担当)が抗議の意を表明して政務官を辞任するなど政府内部からも異論が出るという異常事態に至っており、その内容の不備は明らかである。
    多重債務問題の深刻化している現在、消費者保護、多重債務者救済という視点に立って改正問題に取り組むべきことが求められている。
    かかる見地から、当会は、重ねて政府及び国会に対し、利息制限法の金利区分を変えることなく出資法の上限金利を利息制限法の水準まで引き下げること、少額短期や事業者などの特例を一切もうけないこと、直ちに貸金業規制法43条のみなし弁済規定を廃止することを強く求めるものである。

2006(平成18)年9月7日
新潟県弁護士会会長 馬場 泰

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