新潟県弁護士会 – 弁護士会

声明・意見書

2007年07月24日|声明・意見書

新潟県中越沖地震の被災者支援に関する会長声明

本年7月16日に発生した新潟県中越沖地震は、新潟県内を中心に、死者11名、負傷者1,800名以上、損壊家屋10,000棟以上などの甚大な被害をもたらした。7月24日現在で1,700名以上の被災者の方々が避難所で生活をしている状態である。

新潟県中越沖地震は、平成16年10月23日に発生した新潟県中越大震災からわずか3年にも満たない時期において、しかも前回の地震で大きな被害を受けた地域と重なり合う範囲の地域に大きな被害をもたらした点で未曾有の出来事というべきであり、度重なる災害に苦しむ被災者の皆様に対し、新潟県弁護士会を代表して心からお見舞いを申し上げるものである。

新潟県弁護士会は、前回の新潟県中越大震災の後に速やかに災害対策本部を立ち上げ、主として被災者を対象とする無料法律相談を実施してその生活不安の除去に努めると共に、被災者支援のための立法措置や行政による法令の適切な運用を働きかけてきた。今回の中越沖地震による被害に対しても、前回同様、当会として総力をあげて被災者支援活動に取り組む覚悟である。

当会は、前回の新潟県中越大震災以降も、被災者支援について継続的に調査研究を行ってきたが、これら経験をふまえ、新潟県中越沖地震における被災者支援について、以下のとおり提言を行う。

1.災害救助法の活用について

新潟県知事は、地震当日の7月16日に、長岡市、柏崎市、小千谷市、上越市、出雲崎町、刈羽村の6市町村に対して災害救助法の適用を決定した。

災害救助法23条は、都道府県知事は、収容施設の供与、生業に必要な資金の給与などの救助を行なうべきであるとしている。

収容施設の供与に関して、これまでは、私有地での仮設住宅建設は禁止するとの運用がなされてきた。しかし、被災者が安全な私有地を所有している場合、私有地に仮設住宅を建設すれば、被災者にとって旧来の住居地またはその近くに住み続けることができる可能性が高まり、便利である。かつ、仮設住宅を建設するために公有地を使用する範囲が小さくなり、公有地を本来の用途に使用しやすくなる。よって、仮設住宅については、被災者の要望がある場合には、具体的状況に応じ、被災者の所有地に建設するとの運用がなされるべきである。

また、生業に必要な資金の給与については、これを行なわないとの運用が事実上行なわれてきている。しかし、新潟県中越沖地震にあっては、地震後も物流経路は確保されているなど、業務継続の環境は失われていない。そうしたなか、家屋、店舗、車両、機具、什器等を失って生業に支障を来たしている農家や店舗経営者など自営業者たる被災者に生業資金を給与することは、給与された資金を活用した設備投資や仕入れを通じて地域経済にも好影響を与え、自力、自助努力による復興・復旧を促すことにもつながる。よって、生業に必要な資金の給与についても、これを原則的には行なわないというような硬直した考え方を廃し、臨機に応じた積極的な運用を行なうべきである。

2.被援護者に対する十分な配慮について

阪神淡路大震災においては、環境の変化に対する適応力が弱い高齢者などハンディキャップを持つ方々が多くの肉体的・精神的負担を負って避難生活を送らざるを得なかった。

そのような経験に鑑み、関東弁護士会連合会は、2006年度開催のシンポジウムにおいて、災害時要援護者について特別な支援がなされるべきことを提言しており、当会もこの提言に全面的に賛同するものである。

具体的には、福祉部局は、個人情報やプライバシーの保護について配慮しつつボランティアなどとの間で要援護者の情報を共有し、避難所、仮設住宅において災害時要援護者の実情、ニーズに応じた適切な援助を実施すべきである。

また、災害時要援護者に限らず、避難や仮住まいを続ける者には、外からは窺い知ることのできない多くの悩みや困り事があるものと推察される。こうした人たちの中には、援助を受けているとの負い目から、そうした悩みを打ち明けられないでいる場合も少なくないものと考えられる。したがって、援助・保護に当たる側において、そうした悩みや隠れたニーズを積極的に吸い上げるようにしたうえで、できるだけ被援護者の要望に応えるように努めるとともに、場合によっては医師・カウンセラー・セラピスト・法律家・建築関係者など、各種専門家による適時・適切な助言が可能となるような態勢を構築する必要がある。新潟県弁護士会では、すでに無料電話法律相談を開設し、今後も現地無料法律相談の開催など、できるかぎりの助力を怠らない所存であるが、新潟県や地元自治体には、場所の提供や広報活動などの協力をお願いするとともに、当会に対し、忌憚なく援助要請を行われるよう希望する。

県内外の機関の連携により被災者の心に希望の灯がともり、一刻も早い復興・復旧に道が開かれるよう強く希望するとともに、新潟県弁護士会も総力をあげて支援活動に尽力する決意である。

以上

平成19年7月24日
新潟県弁護士会会長 藤田善六

連絡先・交通アクセス

新潟県弁護士会 新潟相談所

新潟県弁護士会

〒951-8126
新潟県新潟市中央区学校町通1番町1番地
TEL.025-222-5533TEL.025-222-5533詳しい情報を見る

交通アクセス

バス:新潟駅万代口から中央循環線バス乗車、市役所前下車。バス停より300m。
車:新潟駅から約10分。

  • 弁護士を講師として呼ぼう!弁護士派遣制度
  • ひまわり基金運営委員会 人権賞
  • 子どもの悩みごと相談 毎週月・木 16〜19時
  • 中小企業の法律相談はひまわりほっとダイヤルへ
  • twitter @mamorun2014
  • ひまわりお悩み110番 0570-783-110
  • ストップ、えん罪!
  • 司法修習生の方へ
  • 東口日本大震災の被災者の皆様へ
  • 新潟県弁護士会住宅紛争審査会
  • 日本司法支援センター 法テラス
  • 公益財団法人 日弁連法務研究財団
  • 関東弁護士会連合会
  • 2016年1月16日 防災シンポジウム 動画によるご紹介
  • 2016年1月16日 防災シンポジウムご報告
  • 弁護士になろう!
スマホ・パソコンからの
相談予約はこちら