声明・意見書
2008年09月12日|声明・意見書
不適切な戸籍消除に対する勧告について
2008年(平成20年)9月12日、新潟県弁護士会は、国及び大和市による不適切な戸籍消除について勧告を行いました。
申立人は、1963年(昭和38年)、大和市でアメリカ人と日本人の間に生まれました。当時の国籍法では、父親がアメリカ人であるときにはその子どもは日本国籍を取得することができないとされていました。しかし、大和市は過誤により申立人の出生届けを受理し、外観上申立人に日本国籍があるかのような取扱いをしました。
しかし、1984年(昭和59年)、大和市は申立人に日本国籍があるとの扱いが間違いだったとして申立人の戸籍を消除しました。その際には戸籍消除に伴う影響などについては一切説明がなされませんでした。大和市から戸籍消除の許可を求められた国も戸籍消除が申立人に与える重大な影響について配慮しないまま戸籍消除を許可しました。
このような国及び大和市の対応は申立人の無国籍化を防止する国際人権法の要請に反し、申立人の国籍を恣意的に奪われない権利もしくは長年にわたって形成された「日本人」としての個人の尊厳・幸福追求権を侵害するものです。
そのため、新潟県弁護士会は、国と大和市に対し、今後戸籍消除手続について慎重な配慮がなされるようにするためこの事例を周知し、また、申立人について特別の救済措置を含めた検討を行うことを勧告しました。
新潟県弁護士会
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