新潟県弁護士会

声明・意見書

2005年10月4日|声明・意見書

共謀罪の新設に反対する会長声明

当会は、今後国会において審議が予定されている「犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律」案における「共謀罪」の新設等について、以下の理由により反対する。

  1. 「共謀」とは、犯罪を共同で遂行しようという意思を合致させる謀議、謀議の結果として成立した合意をいうもので、「共謀罪」はこのような犯行の合意だけで処罰対象とし、実行行為も、その予備行為さえも要件としていない。このような「共謀罪」は、何らかの「顕示行為」を構成要件とする刑法の原則に反し、刑法の人権保障機能を破壊するものである。
  2. 「共謀」という概念は、上記のとおり非常に曖昧であって、刑罰法規として構成要件の明確性を欠いている。従って、思想そのものを処罰するおそれが大であり、憲法が定める思想信条の自由、表現の自由、集会・結社の自由など基本的人権に重大な脅威を及ぼすものである。
  3. 「共謀罪」は、会話や電話、メ-ルなどの内容が犯罪を構成することとなるため、捜査機関の捜査は通信傍受や自白偏重に傾く危険性が強い。
  4. この法案が上程される要因となった「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」では、「金銭・物質的利益を目的とし」、「重大犯罪、条約犯罪の実行を目的とした」、「組織的犯罪集団による越境的な性質を有する」行為に限定することできるにも拘わらず、「共謀罪」ではこれらを要件としていない。
  5. 長期4年以上の犯罪に適用され、対象となる犯罪は600以上の類型に及ぶため、市民の日常生活や活動に対して広範囲にわたる監視とその結果としての萎縮が憂慮される。
  6. 証人買収罪は、現行法の証人威迫罪や偽証罪・罪証隠滅罪の教唆犯として取り締まることが可能であり、その新設によって弁護活動に対する不当な介入が生じる懸念がある。
  7. リモ-トアクセスによる差押えは、捜索差押えの範囲を場所と物とで特定して明示することを要求する憲法35条の精神を没却する。
  8. 捜査機関による通信履歴の保全要請は、裁判所の令状によるものではないため、司法的チェックがなく、濫用され通信の秘密を侵害するおそれがある。

当会としては、昨今の麻薬や銃の密輸、テロなどに代表される国境を越える組織犯罪に対する有効な対策の推進を否定するものではないが、「共謀罪」の新設等を初めとする上記法案は、以上のとおり、刑法の原則である罪刑法定主義に反し、憲法上の言論の自由等基本的人権の保障を危うくするなど、そのいずれにも問題があるものであるから、反対する。

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