新潟県弁護士会

声明・意見書

2009年05月1日|声明・意見書

司法判断に従った水俣病認定審査を求める会長声明

新潟水俣病は、公式発見から40年以上が経過しているが、いまだに救済されずに放置されている被害者は約3万人を数えており、健康障害や経済的不安を抱え社会の偏見や差別に苦しんでいる。
公害健康被害の補償等に関する法律(以下「公健法」という。)に基づく水俣病認定制度で用いられている水俣病認定基準は、昭和46年環境庁事務次官通知では症状の組み合わせを必要としていなかったものを昭和52年に複数の症状の組み合わせを必要とする厳しい要件に変更されたものであり(以下「昭和52年判断条件」という。)、その後ほとんど水俣病認定がなされず、患者切り捨てに作用しているとの批判を受けてきた。
最高裁判所は、関西水俣病訴訟において、平成16年、水俣病の発生拡大についての国の法的責任を認めるとともに、メチル水銀ばく露歴と四肢末梢感覚障害等の1つの症状で水俣病と認める旨の大阪高等裁判所の判断を支持する判決を下し、公健法の水俣病認定基準として現在運用されている昭和52年判断条件を否定した。
それにもかかわらず、国は、司法と行政は違うと二重基準を主張し、公健法の認定審査に依然として昭和52年判断条件を用いている。しかし、法の支配の見地からすれば、行政が司法判断に従ってなされるべきは当然である。公健法に基づき設置された新潟県・新潟市公害健康被害認定審査会の委員の1人が、先般、司法判断に従ったより緩やかな基準で水俣病患者を認定すべきであるとの提言書を新潟県及び新潟市に提出したことを公表した。上記認定審査会の会長も、このほど、「30年以上前に定められた基準で審査することには違和感がある」と指摘したと報じられているところである。
当会も、司法が示した基準に従えば水俣病と認定されうるのに、より厳格な行政の基準によったために認定されない患者が生ずることや、そのような未認定患者がいつ終わるか知れない訴訟による救済を求めざるをえなくなる事態を、決して看過できない。
よって、当会は、法の支配を貫徹し、水俣病被害者の早期全面救済を求める見地から、
1 政府(環境省)に対しては、司法判断を尊重し、環境省の基準をより緩やかな基準にすみやかに改定することを、
2 上記認定審査会及びこれを運営する新潟県、新潟市に対しては、
(1) 政府(環境省)に第1項のとおりの基準改定を求めること、
(2) 検討会を設置するなどして、現行の環境省の基準によらずに司法判断に沿った独自の基準で水俣病認定を行うことを法的観点等から真摯に検討し、その実現に努めること
を強く求める。
なお、当会としても、上記認定審査会、新潟県及び新潟市が上記第2項(2)の検討をされるにあたっては、検討委員の派遣その他の最大限の助力をする所存である。

2009(平成21)年5月1日
新潟県弁護士会
会長 和田 光弘

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