新潟県弁護士会 – 弁護士会

声明・意見書

2006年12月4日|声明・意見書

少年法等の一部を改正する法律案についての声明

現在、衆議院において、少年法等の一部を改正する法律案が審議されている。

法案の内容には、[1]いわゆる触法事件について警察の強制調査権を認める[2]14歳未満の少年も少年院送致を可能とする[3]保護観察中に遵守事項に違反した少年の少年院送致を可能とするなどの内容が含まれている。しかしながら、このような方向は、少年の福祉を害する恐れがあると言わざるを得ない。

  1. 警察に強制調査権限を与えるべきとの点については、事実解明に警察による調査が必要だというのである。しかし、これまでも児童相談所・家庭裁判所などによる調査で充分事実解明はなされてきている。むしろ、14歳未満の少年の特殊な心理状態に配慮し、少年の生育歴を含めた事件の全容を明らかにし得る能力を持つのは、警察ではなく、少年心理の専門家を抱える児童相談所や家庭裁判所である。
    よって、触法事件について警察の強制調査権を認める必要はない。
    なお、刑罰の対象とされない14歳未満の少年の事件は、法体系上も、原則として警察の強制調査でなく、児童相談所や家庭裁判所の福祉的措置により解明・解決すべきとされているのであり、触法事件の対応方につき、不十分な点があるとすれば、当該機関の在り方、強化等を求めることこそ本筋である。
  2. 近年14歳未満の少年が人命に関する事件を引き起し、マスコミを通じて社会の耳目を集めている。しかしこのような年少少年事件においては、むしろ生育歴が事件の主要原因と考えられ、発達障害や人格障害が背景にある場合も多く、個別の福祉的、医学的、教育的対応がきわめて重要である。
    主として集団的矯正教育を行っている少年院に、触法少年を送致した場合、その立ち直りに充分な効果を発揮するかどうか疑問があり、逆に、適切な福祉医療の機会を失し、あるいは他の年長入院者の非行傾向を習得する危険性さえある。
    このような少年について施設入所が必要だとすれば、少人数制の下で、きめ細やかな対応が可能な児童自立支援施設の方がより妥当である。児童自立支援施設の人的、物的強化は必要であるが、14歳未満の少年を少年院に送致しようとの見解は、ことの本質を見誤ったものと言わざるを得ない。
  3. 保護観察中に遵守事項に違反した少年の少年院送致を可能とするとの点については、現行制度でも、保護観察中に遵守事項違反があり、それが再非行に結びつく場合には虞犯少年として立件し、少年院に送致することが不可能ではないこと、また再非行に結びつく程度でなければ少年院送致をする必要がないものであり、単に遵守事項違反のみで、少年院送致をすることは、著しく懲罰的であり少年保護の精神にもとるものである。
    以上の通り、今般の少年法等の一部を改正する法律案については重大な問題があり、当会としては、改正の方向について反対であることを表明するものである。

2006年12月4日
新潟県弁護士会会長 馬場 泰

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