新潟県弁護士会 – 弁護士会

声明・意見書

2008年02月29日|声明・意見書

取調べ全過程の録音・録画の実現を求める総会決議 決議理由

提案理由

1.取調べの全面可視化を求める社会情勢

去る平成19年、我が国の刑事事件における取調べの根本的問題点が、社会問題として大きく取り上げられた。

鹿児島県では、公職選挙法違反事件において、「踏み字」をはじめとする強圧的・誘導的取調べが行われ、これにより得られた虚偽の自白を基に起訴された12名の被告人全員に対し、無罪の判決が言い渡された(鹿児島志布志事件)。

富山県では、強姦・強姦未遂事件において、無実の者が自白強要により有罪判決を受けて刑に服していたことが判明し、再審により無罪が確定した(富山氷見事件)。

これらの事件によって、密室において違法不当な取調べが横行している我が国の実情が広く世間に明らかとなり、取調べの全面可視化を求める動きが潮流となってきた。

そのような中、昨年12月4日、民主党は、刑事訴訟法の一部を改正する法律案(取調べの録画・録音を義務づける可視化法案)を参議院に提出しており、取調べの全面可視化に対する社会の期待はこれまで以上に高まっている。

2.裁判員裁判の適正な実施に向けた取調べの全面可視化実現の必要性

来たる平成21年5月までに開始される裁判員裁判では、市民に分かりやすい審理の実現、市民への過大な負担の回避が求められる一方、虚偽自白による冤罪防止の必要性は従前どおり高度のものとして存在する。

これらの要請を両立させ、裁判員裁判を適正なものとして実施するためには、取調べの全面可視化は絶対に必要なもので、これなくして適正な裁判員裁判の実現はおよそ不可能であるといっても過言ではない。

万が一、裁判員裁判実施までに取調べの全面可視化の見通しが立たないようであれば、裁判員裁判の実施を延期することについても検討がなされるべきであるとの意見もある。

いずれにせよ、裁判員裁判の実施が目前に迫っている現在、取調べの全面可視化を実現することが急務であることは確実である。

3.結語

当会は、これまでにも各種催しや声明等により積極的に取調べの全面可視化の実現に向けて尽力してきたが、取調べの全面可視化を求める気運が高まっている今日の社会情勢を受けて、裁判員裁判の実施までにこれを実現できるか否かは、まさに正念場である。

そこで、当会を挙げて取調べの全面可視化を強く求める決意を新たにし、今後の活動の指針としていくために、本決議を提案するものである。

以上

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